SMS産廃コラム

産廃コンテナとは?

産廃コンテナ

産廃コンテナとは?種類やサイズから運用の問題点と改善方法

排出事業者責任のページでも紹介したとおり、廃棄物は排出した事業者が責任をもって保管や収集運搬、処分までの管理を適正に行うことが法律で義務付けられています。
特に近年ではSDGsの取り組みも注目されており、廃棄物の保管状況にも厳しい目が向けられていく可能性があります。

産業廃棄物(産廃:さんぱい)を排出現場で保管する際に使われ、そのまま収集運搬が可能な産廃コンテナですが、この産廃コンテナには様々は種類や形状、サイズがあります。

産廃コンテナを複数保有し、廃棄物の排出現場へ貸し出しを行っている処理業者にとっては、どこの現場にどのサイズや種類のコンテナが設置してあるか常に把握しておかなければなりません。
なぜなら、産廃コンテナには自社の名称が記載してある場合がほとんどです。貸し出した産廃コンテナが盗難や管理不足のため行方不明になり、コンテナごと不法に投棄されてしまった場合、企業の信用を大きく損なうリスクにもつながります。

このページでは産業廃棄物を保管・収集運搬する際に使用する産廃コンテナの種類やサイズ、用途から、廃棄物の種類に応じたコンテナの特徴までを最大級の利用者数を誇る産廃システムをつくる株式会社エスエムエスが詳しく解説しています。
さらに、産廃コンテナの運用についてよくある問題点や改善方法を解説します。

1.コンテナとは?

コンテナ(英語表記:container)とは、容器や入れ物、箱のことを言います。

コンテナとは?容器や入れ物、箱のことを言います

大型の鋼鉄製やアルミニウム製の箱で、中に荷物を入れ、航空機・鉄道・トラック・船舶などで運ぶ輸送コンテナのほか、人が手で持ち運びできるサイズの箱状の物もコンテナと呼ばれます。
また、ドラム缶や段ボール箱、ポリタンクや石油缶なども入れ物ですので、コンテナと呼ばれます。

一般家庭でも、冷蔵庫や冷凍庫で食品を保存する容器などもコンテナと呼ばれることがあります。

また、コンピュータのプログラミングにおいて、オブジェクト(値)を格納するデータ型のこともコンテナと言います。(今回はこの意味については説明しません)

2.産廃コンテナとは

コンテナとは容器や入れ物などの箱と説明しましたが、産廃コンテナとは産業廃棄物を保管しておくために用いる入れ物のことを呼びます。
産業廃棄物が多量に排出される現場などの場合、廃棄物が出るたびに産業廃棄物処理業者や処分場に持ち込んだり、収集運搬業者へ回収の依頼を行うと手間や費用が多くかかります。

そこで、排出された廃棄物を産廃コンテナに保管しておき、一定量になったら回収や交換の依頼を行うか、産廃コンテナごと処理業者や処分場に持ち込むことができるのが産廃コンテナです。

繰返しの使用に耐えうる構造・強度があり、廃棄物の種類に応じて密閉できる物や蓋がついている物、積み重ねがしやすい形状、重機やトラックに装着できる専用の装置がついた物があります。

3.産廃コンテナの種類と主な用途

フレキシブルコンテナバッグ

フレキシブルコンテナバッグ

フレキシブルコンテナバッグは布製やポリプロピレン製、ポリエチレン製などの柔軟性のある素材で作られた袋状の容器で、主に土砂や粒状の廃棄物や汚泥、繊維くずやがれき類、金属や紙くずの収集運搬に使用されています。
やわらかい素材でできているので折りたたむことができ、吊り上げることができるベルトがついていますのでクレーンやフォークリフトで移動させられます。

フレコンバッグ、フレコンなどと略されたり、1トン程度の重さまで入るのでトンバッグ、トン袋やトンパックなどと呼ばれることもあります。
円柱状の袋が一般的ですが、トラックなどの運搬時に隙間ができにくい四角い形状の袋もあり、底部に開閉式の排出口が付いているものなどもあります。

脱着装置付きコンテナ

産廃コンテナとは?種類やサイズから運用の問題点と改善方法

脱着装置付きコンテナは鋼鉄製の四角い容器で廃棄物を一時的に保管するための箱です。大量の廃棄物が排出されることを想定して作られているため容量が大きくなっています。解体工事現場や建設現場で一時的に産廃コンテナを設置し廃棄物を集め、一定量になったらトラックの荷台に装着して処理施設へ運びます。
主にがれき類やガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くずのほか、燃え殻・ばいじん金属や紙くずの収集運搬に使用されています。

脱着装置付きコンテナ

脱着装置付きコンテナを装着できるトラックの正式名称は「脱着ボディーシステム車」ですが、新明和工業が製造販売する車両の商標である「アームロール車」という名称の方がなじみ深いかもしれません。

産廃ボックス(バッカン)

産廃ボックス(バッカン)も鋼鉄製の底部が四角い容器です。

建設現場の産廃ボックス

脱着装置付きコンテナのことをバッカンと呼ぶ場合もありますが、ここではトラックの荷台に装着できないタイプの産廃ボックスと分けて説明します。

積上げられた産廃ボックス

産廃ボックス(バッカン)の底部にはフォークリフトの爪が入る隙間が空いていたり専用の溝がある物があります。クレーンで吊り上げるための穴のあいた吊り具が上部と底部についているので、上下反転させる「返し作業」を行うことができます。解体現場などで使用される回転フォーク(ハサミ)のついた重機で掴める強化構造のものもあります。
スクラップボックス、スクラップコンテナ、鉄箱などと呼ばれることがあります。

4.産廃コンテナのサイズ

フレキシブルコンテナバッグのサイズ

標準的なサイズは1,000ℓ(1㎥)の容量で1,100(高さ)×1,100(幅)mmの物ですが、500×900mmの小さめサイズから1,300×1,550mmの大きなサイズまで様々あります。
約1㎥から2㎥程度の容量までの廃棄物を入れることができ 大きさはさまざまです。

脱着装置付きコンテナのサイズ

産廃コンテナのサイズ

装着するトラックの規格やサイズ、廃棄されるゴミの排出量にもよりますが、4㎥から35㎥以上の容量があります。
設置する場所の広さや通行する道路幅に応じて交換や収集運搬を担当する産業廃棄物処理業者と相談して適切なサイズを選びましょう。また、コンテナを置くスペースに加えて、脱着ボディーシステム車(アームロール車)にコンテナを脱着するためのスペースが必要になることがありますので、脱着するための幅と高さも産業廃棄物処理業者に確認をしておきましょう。

※以下のサイズは産廃コンテナを保有している企業の協力により内寸を計測し記載しています。コンテナを製造販売しているメーカーによってサイズが異なる場合がございます。

2t車用

4㎥から6㎥のコンテナが標準的なサイズはこちらです。

容量 幅(mm) 長さ(mm) 高さ(mm)
4㎥ 1,540 2,730 900
5㎥ 1,540 2,730 1,200
6㎥ 1,540 2,730 1,500

4t車用

6㎥から14㎥程度のコンテナが装着できます。

容量 幅(mm) 長さ(mm) 高さ(mm)
6㎥ 2,020 3,600 825
8㎥ 2,020 3,600 1,100
10㎥ 2,020 3,600 1,375
12㎥ 2,020 3,600 1,650
14㎥ 2,020 3,600 1,925

10t車用

16㎥から29㎥程度のコンテナが装着できます。

容量 幅(mm) 長さ(mm) 高さ(mm)
16㎥ 2,300 6,000 1,200
20㎥ 2,300 6,000 1,5200
25㎥ 2,300 6,000 1,800
29㎥ 2,300 6,000 2,100

10t以上の大型車用

28㎥以上のコンテナを装着することができます。なかには39㎥の大型なコンテナもあります。

容量 幅(mm) 長さ(mm) 高さ(mm)
28㎥ 2,300 8,000 1,500
29㎥ 2,300 8,500 1,500
33㎥ 2,300 8,000 1,800
35㎥ 2,300 8,500 1,800
39㎥ 2,300 8,500 2,000

産廃ボックス(バッカン)のサイズ

脱着ボディーシステム車(アームロール車)に脱着しないタイプの産廃ボックス(バッカン)はそのままトラックやダンプ車の荷台に積み込みますので、2㎥から4㎥程度の容量が一般的です。

※以下のサイズは産廃コンテナを保有している企業の協力により内寸を計測し記載しています。コンテナを製造販売しているメーカーによってサイズが異なる場合がございます。

容量 幅(mm) 長さ(mm) 高さ(mm)
2㎥ 1,500 1,500 915
3㎥ 1,830 1,830 915
4㎥ 1,830 1,830 1,220

5.産廃コンテナの運用

排出事業者は排出された廃棄物の回収を処理業者に依頼するわけですが、産業廃棄物が多量に排出される現場などの場合、廃棄物が出るたびに処理業者や処分場に持ち込んだり、収集運搬業者へ回収の依頼を行うと手間や費用が多くかかります。
そこで、産廃コンテナを保有している産業廃棄物処理業者は、建設工事や解体工事などの現場や製造工場などに産廃コンテナを設置し、大量の産業廃棄物を一か所に保管し、一度に収集運搬を行います。
保管から運搬まで一貫して行えるため、管理業務の効率が大幅に向上します。

産廃コンテナの料金

産廃コンテナの料金

産廃コンテナを購入する際の価格は製造するメーカーや産廃コンテナの種類によって様々です。数千円で購入できるフレコンバッグから、数十万円以上もするオーダーメイドの脱着装置付きコンテナや中古のコンテナまで幅広くあります。

また、産廃コンテナを設置するためには貸し出し(レンタル)料金がかかる場合があります。一か月単位や1日単位など、貸し出し期間は処理業者によって様々です。そのほかにも、運搬費用や産業廃棄物の種類に応じた処理費用がかかりますので、産廃コンテナを設置・回収してくれる処理業者に確認しましょう。

産廃コンテナの設置

産業廃棄物を一か所に保管できる産廃コンテナですが、設置する場所には総合的な判断が必要になります。

廃棄物を捨てにくい場所に設置してしまうと、現場での作業効率が大幅に低下してしまいます。整理整頓が保てず思わぬ事故が発生してしまうことにもなりかねません。
また、クレーン、フォークリフトなどを用いて移動・回収する場合やアームロールでのコンテナ脱着の際にはスペースが必要になります。
以上のことから現場での作業効率と、回収・交換をしてくれる収集運搬業者の意見をもとに設置場所を決めましょう。

処理業者は業務効率の向上のために取引先である排出現場に産廃コンテナを設置させてもらっています。
逆に排出事業者から見れば、設置してある場所は自社敷地内であったり自分が管理している現場であったりすることがほとんどです。しかし、産廃コンテナ本体は処理業者からレンタルしているという意識を持ちましょう。
繰返し反復使用が可能とはいえ乱暴に扱うと、破損や変形の原因となります。お互いが気持ちよく取引ができるように注意しましょう。

また、産廃コンテナの設置には、貸し出しのためのレンタル料金がかかる場合があります。大きなゴミ箱をレンタルする感覚で自社が管理する現場に産廃コンテナを設置することができます。

産廃コンテナでの廃棄物の保管

廃棄物を排出する事業者は産廃コンテナを用いて産業廃棄物を保管する際には、掲示物を設置するなどの廃棄物処理法で規定されている保管基準を遵守しなくてはなりません。

産廃コンテナの種類によっては上部に蓋が無く、空いている(むき出し状態の)場合があります。外部から廃棄物の投げ入れや金属くずなど有価物の盗難、雨水の侵入、廃棄物の飛散や流出・悪臭を防ぐ為にカバーや防水シート、屋根や防犯用のネットなどで上部を覆うなどの対策が必要です。

フレキシブルコンテナバッグの場合

柔軟性のある素材で作られたフレコンバッグを用いて廃棄物を保管する場合には、保管前に袋やベルト等の装具に破損などの異常がないことを確認します。繰返し使用できるフレコンですが、雨や紫外線にさらされる屋外で何度も使用している際には特に注意が必要です。

産廃コンテナでの運搬

フレキシブルコンテナバッグや産廃ボックス(バッカン)の場合はトラックなどの車両の荷台に積んで運ぶケースが多いです。積載する際にはクレーンやフォークリフトを使用し吊り上げます。
容量の多い脱着装置付きコンテナについては、コンテナ底部にローラーと側面に専用のアーム脱着装置が付いていますので、脱着ボディーシステム車(アームロール車)の後部から伸びるアームのツメで引掛けて車両の荷台に引き上げる形で積載します。

産業廃棄物の過積載について

産業廃棄物の過積載について

一度に大量の廃棄物を保管できる産廃コンテナですが、産業廃棄物の運搬をする際には過積載にならないよう重量に注意する必要があります。特に比重の高いコンクリートがらなどが入った産廃コンテナを運搬する際には、車両の最大積載量を大幅に上回る可能性があり、過積載に注意が必要です。
最大積載量を超過して積み込むことで、走行中に積み荷が落下したりブレーキ性能が低下したり、車体が不安定になり事故につながる可能性があり大変危険です。

道路交通法では「ドライバーは過積載をして運転をしてはいけない」と定められていますが、「荷主(排出事業者)は、過積載となることを知りながら積載物(産業廃棄物)を引き渡してはいけない」とも定められていますので、委託した排出事業者、収集運搬事業者ともに処分の対象となります。
産廃コンテナの容量に注意することはもちろんですが、運搬の際の車両が耐用する重さにも注意が必要です。

6.運用の問題点

これらのように産業廃棄物を排出する事業者にも産廃コンテナの設置や廃棄物の保管、運搬の際に注意が必要ですが、日常的に産廃コンテナを管理している処理業者にも運用の問題点が数多くあります。

産廃コンテナの設置場所がわからない

産廃コンテナの設置場所がわからない

排出現場に産廃コンテナを設置している処理業者の多くは複数の種類やサイズの産廃コンテナを保有していて、取引のある排出現場に一定期間貸し出しています。

取引先が複数社あり、同時期に別々の排出現場に設置している場合、どの現場にどの産廃コンテナが設置してあるか把握しておかなければなりません。

手書きの帳票やエクセルなどの表計算ソフトで管理している場合、回収や交換の依頼を受けた際にその都度、住所から地図を検索しなければなりません。

貸し出した産廃コンテナが盗難や行方不明になり、コンテナごと不法投棄されてしまった場合、企業の信用を大きく損なうリスクにもつながります。

設置してから何日たったのかわからない

産廃コンテナを設置してから何日たったのかわからない

手書きの帳票やエクセルで設置を開始した日付を入力したり、カレンダーやホワイトボードに排出現場を記載したりと、産廃コンテナの設置を様々な方法で管理していると思います。

貸し出し料金を計上する際には、どれだけの期間が経過したのか日数の計算が必要です。
長期間貸し出している場合には、何枚ものカレンダーを壁に貼ることになってしまいます。

現場からの交換や回収撤去依頼の受付がアナログ

現場からの交換や回収撤去依頼の受付がアナログ

産廃コンテナを設置している取引先から「そろそろ一杯だから交換(回収)して」という連絡はどのように来ますか?
電話? FAX? メール?

どの現場(住所)なのか?どの種類の産廃コンテナなのか?が一度の連絡で判明しない状態だと回収に向かう車両の選別もままなりません。

現場のデータ入力や日数計算、受付対応とルート確認など日常的に行い慣れている業務ですが、そのコストを計算したことがありますか?

「自分で完璧に管理しているから」
「事務の担当者がいるから」
と言っても人件費はかかっています。
最低賃金で計算した場合、目に見えなくても1ヶ月に数万円を捨てていることもあるかもしれません。

7.スマホでオンライン管理

いま、どこに、どんな種類の産廃コンテナが何台設置され、設置日数がどれだけ経過しているのか?をオンライン管理する方法があります。

産廃コンテナbee 誕生!

産廃コンテナにQRコードを貼るだけで管理できる

産廃コンテナやフレコンバッグにQRコードシールを貼り付けてコンテナの貸し出し状況を把握するシステムです。
専用のソフトウェアやアプリケーションは不要でインターネット環境があれば簡単に管理ができます。

排出現場に設置した産廃コンテナのQRコードをスマートフォンで読み取ることで設置状況(位置情報と設置開始日)が記録されます。
また、排出現場でコンテナが一杯になった際には、排出現場(取引先)の担当者が産廃コンテナのQRコードを読み取ることで交換や回収の依頼が行え、利便性が高まります。

処理業者は回収依頼のデータをオンライン上で確認できるほか、メールで受け取ることも可能。
回収依頼のあった場所を地図上で表示でき、その画面から回収に向かう経路の確認やナビゲーションにも対応しています。

貸し出し中のコンテナはもちろん、交換依頼や撤去依頼があったコンテナの状況は画面上で一覧にして確認可能で管理業務の効率化や、産廃コンテナの紛失を未然に防げます。

QRコードを貼り付けた産廃コンテナのサイズや種類は写真などの画像付きで管理できるので、回収や撤去に向かう車両の選別も簡単!

月額基本料金は税込み11,000円で、産廃コンテナの設置件数50件までは基本料金に含まれ、それ以上は1件ごとに220円(税込)なので、無駄な支出も抑えられます。

1ヶ月の設置件数200件以上は別のプランが各種あり、何台設置しても超過料金のかからない無制限プランもあります。

8.診断・デモ・無料で借りる

他にも廃棄物処理法に適した管理ソフトはありますか?

全国最大級の利用者が選んだ業務改善システムからあなたに合った管理ソフトを調べられます。

管理ソフトを実際に操作しているところを見たいのですが?

訪問しての実機デモやオンライン会議システムを利用したデモを行っております。
こちらからお申込みいただくと日程の調整などをさせていただきます。

産廃ソフトや管理ソフトを試しに使ってみたいのですが?

体験版とは違う、全ての機能が使える『製品版』を最大3ヶ月間ご利用いただけます。

産廃ソフトシリーズラインアップ全ての中からお好きな産廃ソフトを複数選ぶことができ、もちろんソフト料金はいただきません。無料でお使いいただけます。

そして、なんと!通常は『年間保守契約』加入が必要な電話サポートもご利用いただけるため、初めてでも安心してご利用いただけます。

貸出期間の終了後は返却するだけ!
もちろん、そのままご購入することも可能です。

自社にあった管理ソフトを診断して、実機のデモを見て、無料で借りてから検討できるので安心

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