廃棄物の定義
廃棄物とは?
私たちが生活していくうえで必ず出る様々なゴミ。
これらゴミは廃棄物処理法において正式には「廃棄物」とよばれ、その取扱いや処理の方法に細かいルールが定められていることがほとんどです。
廃棄物処理法(正式名称『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』という)において廃棄物とは
ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他汚物又は不要物であって、固形状または液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)といいます。
(廃棄物処理法第2条1項)
このページでは最大級の利用者数を誇る業務改善システムをつくる株式会社エスエムエスが廃棄物の定義から区分、種類と廃棄物の処理に関わる法律について分かりやすく解説しています。
これって廃棄物?
廃棄物の定義
国の行政処分の指針では廃棄物であるかどうか(有価物であるか)を判断(廃棄物の該当性の判断)するときの基準として下記の総合判断によることとしています。
「廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要になったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること。」
持ち主が使えないし、他人にとっても価値が無くて売れないから捨てたい物が廃棄物
廃棄物の例外
また、国の通知(厚生省環境衛生通知 昭和46年10月16日環境第43号、改定昭和49年3月25日環整36号)では「次のものは廃棄物処理法の対象となる廃棄物でない」として廃棄物から除外しています。
①港湾、河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの。
②漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物であって、当該漁業活動を行った現場付近において排出したもの。
③土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準じるもの。
おから事件
おからってありますよね?豆腐を作るときに大豆から豆乳を搾り取った後の残り(残渣物)です。
江戸時代からある安価で、健康志向が高まる現在では様々な調理法が増え続ける庶民の味方!あのおからが産業廃棄物にあたるかどうかが最高裁で争われたことがあるのです。
裁判にまで発展
豆腐工場からおからを回収しブタの飼料として販売していた大阪府の業者が、無許可で廃棄物を収集処分しているとして1993年に廃棄物処理法違反で検挙されました。
裁判で業者は「おからは栄養価が高く、人もブタも食しているため産業廃棄物ではない」と主張したのですが、1999年3月10日、最高裁判所は食品以外のおからは無価値なものとして捨てられており、この業者が処理料金を徴収していたため「産業廃棄物」に該当するとして業者に対して罰金50万円の判決が言い渡されました。
豆腐工場で排出されるおからは膨大です。水分を多く含み腐敗しやすく、さらに食用に売られているごくわずかな量を除き、大部分は処理業者にお金を払って「収集・運搬・処分」していたのですから、廃棄物(不要物)と判断されたのですね。
廃棄物の区分
一般的にゴミと呼ばれる廃棄物には、大きく分けて「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の2種類があります。事業活動に伴って出る廃棄物であっても、廃棄物の種類や排出した企業によって産業廃棄物なのか、一般廃棄物なのか変わります。
廃棄物の種類
産業廃棄物とは事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物のことです。 (産廃、“さんぱい”と略される)
①燃え殻
②汚泥
③廃油
④廃酸
⑤廃アルカリ
⑥廃プラスチック類
⑦ゴムくず
⑧金属くず
⑨ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
⑩鉱さい
⑪がれき類
⑫ばいじん
⑬紙くず
⑭木くず
⑮繊維くず
⑯動植物残渣
⑰動物系固形不要物
⑱家畜のふん尿
⑲家畜の死体
⑳❶~⓳を処分するために処理したもの
㉑輸入された廃棄物(❶~⓴の廃棄物、航行廃棄物、携帯廃棄物を除く)
また、事業活動に伴う廃棄物であっても、これらの定義に該当しないものは産業廃棄物ではなく、一般廃棄物となります。
ちなみに、産業廃棄物には量に関する規定がないため、排出量がごくわずかであったとしても産業廃棄物として認定されます。例えば個人事業者のように事業規模が小さく、排出する廃棄物が極めて微量であったとしても産業廃棄物として対応処理していかなければなりません。
事業系一般廃棄物とは
産業廃棄物にはあらゆる事業活動に伴うものと特定の事業活動に伴うものがあります。
産業廃棄物の種類「⑬の紙くず」から「⑲の家畜の死体」までの7種類については、特定の事業活動に伴って排出される場合のみ産業廃棄物に該当します。
例えば、
製紙工場から排出される紙くずや食料品製造業から排出される動植物性残さ ⇒ 産業廃棄物
商店や病院から排出される紙くずやレストラン等から排出される残さ類 ⇒ 一般廃棄物
また「従業員がオフィスで捨てた飲料用ペットボトル」などは「廃プラスチック」であるが、事業活動によるものではないので産廃扱いせず一般廃棄物として取り扱いになる例も多いのです。
ですので、7種類については排出事業者の業種や処理委託先の許可内容を確認するなど、取扱に注意が必要です。
また、事業活動に伴って排出される廃棄物であっても、一般廃棄物に該当するものを、法に定めた用語ではありませんが、「事業系一般廃棄物」と呼んでいます。
主な事業系一般廃棄物としては、前述のほか園芸サービス業から排出される剪定枝、枯葉類等があります。
特別管理産業廃棄物の種類
特別管理産業廃棄物とは産業廃棄物の中でも、原油などの爆発性、廃酸、廃アルカリなどの毒性があり感染性など人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものを「特別管理産業廃棄物」と呼ばれ、その扱いは特に注意しなければなりません。
(特管、“とっかん”と略される)
①廃油
②廃酸・廃アルカリ
③感染性産業廃棄物
④廃PCB等・PCB汚染物・PCB処理物
⑤廃水銀等及びその処理物
⑥廃石綿等
⑦汚泥・鉱さい・廃油・廃アルカリ・燃えがら・ばいじん等(規制物質を基準以上含んでいる有害産業廃棄物)
廃棄物処理法の目的
日本では廃棄物の処理に関して1900年に「汚物清掃法」が制定され、その後1954年に清掃法へと引き継がれました。その後、経済の発展とともに生活環境や国民生活の向上や、産業活動の拡大によって、排出される廃棄物の量の増大および質の多様化が問題となりました。1970年11月の第64回国会(通称:公害国会)において、公害関係法令の抜本的な整備の一環として、廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃掃法)が制定されました。
従来の清掃法の全部改正として、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法/廃棄物処理法)が制定されました。 清掃法にはなかった「廃棄物」という新しい概念を作りました。
よくある質問
少量でも産業廃棄物として処理しなければなりませんか?
産業廃棄物には量の規定はありません。どんな少量であっても産業廃棄物に該当する廃棄物であれば、産業廃棄物処理基準に従って処理することになります。
再委託はできますか?
原則不可です。ただし、排出事業者があらかじめ書面で承諾をしており、施行令で定める再委託基準を満たした場合においては再委託が可能です。
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